【フィルム搬送のシワ伸ばし】現場で簡単にヘリカルロール化・プラズマペーパーの活用例

フィルム搬送現場で生じるシワ・蛇行・粘着付着の課題

フィルムやシートの搬送工程では、走行中の素材にシワが発生したり、蛇行(横ずれ)したり、ロール表面に粘着性の異物が付着したりする課題がしばしば生じます。シワや蛇行は製品の品質不良やライン停止の原因となり、現場技術者を悩ませます。特にロール表面への粘着物付着は、フィルムの滑り不良やテンションむらを引き起こし、シワ・蛇行をさらに悪化させる悪循環を招きます。

従来のコーティング(テフロン等)や
ロール技術(バナナロール・ヘリカルロール)の課題

こうした課題に対し、従来からロール表面に特殊コーティングを施す方法や、フィルムのシワ伸ばし(シワ取り)用の特殊ロールを用いる方法が取られてきました。しかし、テフロンコーティングやクロムめっき、セラミックコーティングといった表面処理、およびバナナロール・ヘリカルロールといった機構面の対策には、それぞれ以下のような課題と限界があります。

  • テフロン(フッ素樹脂)コーティング – 一般的には離型性があるとされていますが非粘着用途としては心許なく、また滑り性がかえってフィルムを傷つける要因にもなりかねません。また、そのものの被膜が柔らかく摩耗しやすいため、耐久性に課題があります。
  • クロムめっき – 表面硬度が高く摩耗には強いものの、表面の離型性が低く粘着物が付着しやすい傾向があります。また、グリップ力には基本期待できません。
  • セラミックコーティング – 耐摩耗・耐熱性に優れますが、粘着物の付着防止やグリップ力という点では効果が限定的で、被膜が硬質ゆえに衝撃に対して脆い場合があります。
  • バナナロール – ロールを湾曲させてフィルム幅方向に張力をかけ、シワを強制的に伸ばす拡幅ロールです。一定のシワ取り効果がありますが、基材の厚みや張力条件の変化によっては調整が難しく、十分な効果が得られない場合もあります。
  • ヘリカルロール – ロール表面に斜め溝や硬度差のある層を設け、エア膜の抑制と安定したグリップ力によってシワ・蛇行を低減する特殊ロールです。通常のガイドロールより効果的にシワやシフト不良を抑制できますが、粘着物の付着自体を防ぐ機能はないため、付着汚れによる問題には別途対策が必要です。

プラズマコーティングの特長・優位性

抜群の非粘着性・グリップ力・耐久性

こうした課題を解決する新たなアプローチとして注目されているのが弊社のプラズマコーティングです。中でもシート状製品の「プラズマペーパー」を用いれば、現場で貼り付けるだけで高機能な高グリップ✕非粘着皮膜を付与でき、実質ダウンタイムなしで施工できます。

プラズマコーティングを施した表面は超微粒子構造で粘着物でも付着しにくく、従来のフッ素樹脂系コーティングよりも遥かに優れた離型特性を示します。粘着テープや樹脂がロールに付きにくく、清掃性も飛躍的に向上します。さらに、非粘着でありながら、ノンスリップ特性と適度な表面粗さによりウェブ搬送に必要な適度な摩擦係数(グリップ力)も確保できます。ロール上をフィルムが空回りしてしまうことを防ぎ、安定搬送に寄与します。

また、複合皮膜であることから耐久性が高く、一般的な離型用コートと比較して「剥がれない」高密着性も備えています。

シート状製品としてご用意しているプラズマペーパーは、装置を分解したり部品を取り外したりすることなく現場で短時間に非粘着コーティング処理が可能です。製品自体に溶射皮膜が成形されているため、加工対象の部品にサンドブラスト処理や加熱処理を施す必要もありません。精密機器の部品など僅かな歪みも許されない箇所にも安心して適用できます。

プラズマペーパーによるアイドラーロール改善例

不織布製造装置でホットメルト接着剤を扱うアイドラーロールでは、粘着性の接着剤がロールに付着してウェブの搬送が滞り、シワ・蛇行が頻発する問題がありました。現場ではガラステープやフッ素樹脂テープをロール表面に貼付する対策を試しましたが、十分な非粘着性が得られない上に耐久性も低く、すぐに効果が消失して頻繁な清掃が必要になる状況でした。

そこで対策として、ロール表面にプラズマペーパーを巻き付ける方法を提案しました。ユーザー自身でシートを必要寸法にカットして貼り付けるだけで、短期間でロールに高い非粘着・離型効果を持つ表面を実現できます。プラズマペーパー施工後は接着剤の付着がほとんど起こらなくなり、ロール清掃の頻度が大幅に削減されました。その結果、フィルム搬送が安定してシワ・蛇行の発生も抑制され、生産ラインの稼働率(歩留まり)が向上しています。

非粘着コーティング×ヘリカルロールの可能性

フィルム搬送におけるシワ伸ばしや粘着付着防止対策としては、従来のヘリカルロールなど機械的手法と非粘着コーティング技術を組み合わせることが効果的です。中でもプラズマコーティング(プラズマペーパー)は、卓越した非粘着性と耐久性を両立し現場施工性にも優れるため、従来対策の弱点を補う有力なソリューションとなります。

実際の導入事例でも、プラズマペーパーによる非粘着コーティングがフィルムのシワ・蛇行トラブル解消とメンテナンス性向上に大きく寄与しました。今後、非粘着コーティングヘリカルロールなど適切な技術を併用することで、フィルム加工ラインの安定稼働と品質向上が期待できるでしょう。

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